【 韓信の背水の陣から学ぶ危険回避 】
こんにちはレキオ上郷です。
世の中ではときどき「背水の陣」が用いられます。
背水の陣は、
一発逆転に繋がることもありますが、
たった一度の失敗で
すべてを失ってしまう可能性がある
危険な作戦でもあります。
経営が苦しい時、
新しい企画に挑戦しないといけない時、
ここは背水の陣で一気に成功させよう！
なんて気にはならないでしょうか？
一旦ストップして
安易に背水に陣を敷いてはいけない、
という、理由を考えてみましょう。
まずは安全性の確保が大事という前提があります。
背水の陣、という言葉の元となった古事は
古代中国の韓信という武将が取った戦術に由来しています。
韓信の軍は兵力で劣るので
川を背にして退路を断つことにより
火事場の馬鹿力を発揮して
敵の巨大な軍に対して逆転勝利を得ました。
後に韓信に
「なぜ背水の陣を敷いたのか？」
と質問したところ
「兵法の基本通りにやっただけのこと
死地に身を置いた兵は全力を尽くす」
と答えています。
このエピソードを元に
『背水の陣』という言葉が生まれましたが
現代では少し意味合いが変わり
「あえて厳しい状況に身を置き
精神的に奮起させることで全力を引き出す」
という意味合いとなっています。
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ポイント１ 戦争は、ただ一つの会戦からなるのではない
近代ドイツの戦術家であるクラウゼ・ヴィッツが
著書『戦争論』で
「戦争の勝ち負けは一回の戦闘で決まるわけではない、
だから極限には至らない」
と語っています。
複数の場所と時間で戦闘が行われることが通常なので
戦力と資源を効率よく分散する必要があるからです。
会社の経営も同じように
一つのプロジェクトに全てを投入するのではなく
プロジェクトが失敗しても大丈夫なように
他のうまくいったプロジェクトで収益を上げておき
失敗分をカバーする準備をしておくことで
リスクヘッジできます。
ポイント２ 勝敗は兵家の常
強い武将の筆頭である曹操や上杉謙信でさえ負けることがあるのが戦闘の常です。
その為、負けた時のことも考えておく必要があります。
戦闘の基本は負けた後に次の対戦に備える、
という考え方がありますが
背水の陣は全滅するリスクがあるので
次がない、という状態の時に使える
最終手段とも言えるでしょう。
現実社会に当てはめてみると
ここで踏ん張らないと会社が倒産してしまう、
という状態の時が背水の陣を敷くタイミングが
当てはまります。
ポイント３ 負けたら終わり、ではない
もちろん戦闘は勝つ為にやるものですが
負けた時に
滅ぶか、降伏するか、の選択肢があります。
その時、兵力が全滅して負けるのと
兵力を温存して負けるのでは
その後の展開がまったく違うものとなります。
つまり、負けた時は
次に繋がる負け方というものが
大事になってくるのです。
ビジネスマンも同じで
万が一、倒産してしまっても
倒産する際に心労で病気になったり
過労死してしまわない限りは
再起する道もあります。
その為、
「背水の陣」は有効な戦術だが
好き好んで採るような戦術ではない
と結論づけられます。
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